医療人類学とバーチャル教育を活用した
新しい医学教育

本事業「医療人類学とバーチャル教育を活用した屋根瓦式地域医療教育(濃尾+A)」(英語名称:Near-peer teaching in community oriented medical education based on Onsite and Virtual learning Integrated with Anthropology (NOVI+A) )は、2022年に文部科学省「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」に採択された拠点の一つです。
医療人類学とバーチャル教育を活用し、地域医療の課題やニーズを踏まえたプログラムを構築・実施します。

FEATURES事業の特徴

医療人類学 × 地域医療

医療人類学の特徴である「相対化」と「フィールドワーク」を活かして、地域・住民の背景を踏まえて地域住民の生活・健康・病気や地域の諸問題を捉える力を育みます。そのような経験を通じて、「生活の場」である地域の目線と医学の目線が混ざり合う場で必要とされる医療を生身の人間を相手にしながら、見出し、実行できる人材を育みます。

医療人類学とは
複数の社会を比較検討することにより人間の社会文化的側面の多様性や普遍性を探求する文化人類学の一分野。病いや苦悩の経験、治療やケアといった実践について、それを担う人びとが生きる社会的文脈のなかで理解することを重視する。その際に、医療行為において前提とされる「健康 / 疾病」「正常 / 異常」を一旦保留し、現地の人びとにとって何が現実であり、何が大切かをその人びとと「ともに」考えようとする ( 相対化 )。
フィールドワークという、人びとの生活の場に赴き、自分と現地の人びとの関係を意識しながら観察や聞き取りを重ねる手法が特徴的である。

バーチャル教育

高速データ通信が実現するバーチャル体験によって地域病院と大学病院との接続性を体感し、地理的条件に影響されずに実践できる医療人を育成します。地域医療教育に特化した電子ポートフォリオを構築し、学生間や、メンターとなる地域に関わる医師と地理的条件を超えてその学びを共有。ピア・サポートを通じて地域に貢献する意識を育みます。

屋根瓦式教育

地域に関わる医師が学生の教育・指導に関与することで学生にとって地域医療に関わるロールモデルとの接点をつくります。
地域の医療機関の指導医、多職種にFDの場をオンラインで提供することで、学生教育に関わる指導者とのより密な連携を目指します。

屋根瓦式教育とは
互いに近い立場の人同士の繋がりと連なり(例:新入医師と2年目医師、2年目医師と3年目医師)が生じる教育の場を作ることで、教える側・教えられる側の双方に学びが生まれる指導体制。

MOVIESプロジェクト紹介動画

濃尾+A 概要
模擬在宅診療

SYSTEM実施体制

名古屋大学と岐阜大学の連携により、本事業を推進します。
名古屋大学では、医療人類学、感染症、総合診療に、岐阜大学では在宅診療などに強みがあり、名古屋大学・岐阜大学の教員は双方の学生教育に関わることで相互補完性が高い教育プログラムが提供できます。

また、地域医療機関や自治体等との連携を通じて、地域に関わる医師や地域指導医の教育スキルの向上および地域病院の教育体制の充実に貢献します。

大学と地域医療機関が連携して事業を推進